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レーザー手術か?静脈抜去術か? [ひとりごと]

レーザー手術が保険適応になったこともあり、最近、下肢静脈瘤についてのテレビ報道が増し、当院を受診予約される患者さまも日増しに増えております。

これまでレーザー手術は保険適応外でしたので、一般的に20-30万円もする治療でした。したがって、医療費という面で、手術を受けにくいという現状がありました(両足だと50万円!)。
しかし今年から保険適応になったことで静脈抜去術との差が大幅に縮まり、選択肢の一つとして考えやすい手術に変わりました。

当院の治療費(手術当日の費用)は、3割負担の方で、
・静脈抜去術 → 3.6~4.5万円(片足)
・レーザー手術 → 静脈抜去術 + 14000円 = 5~6万円前後

1割負担の方で、
・静脈抜去術 → 1.2~1.5万円(片足)
・レーザー手術 → 静脈抜去術 + 4200円 = 2万円前後

特に自己負担の割合が低い方にとっては、以前の20-30万円に比べると大幅に治療費が安くなったと言えます。

しかし、「レーザー手術」と「静脈抜去術」のどちらの治療法が適しているのかは、それぞれの患者さまの静脈瘤の状態によって変わりますし、患者さまの希望する点によっても変わります。

太ももの静脈瘤がひどく膨らんで蛇行しているような場合は、レーザー手術は適しておりません。
また、レーザー手術の場合、レーザーで閉塞させた血管が、しばらくの間、硬くしこりになったり、つっぱり感や痛みを生じることがあります。

静脈抜去術(当院の逆行性PINストリッピング法)では、「足の付け根」と「すねの部分」に5mm程の切開を必要としますが、血管は抜いてしまいますので、レーザーで閉塞させた後のようなしこりは残りません。

膝から下(すねの部分やふくらはぎ)の血管がひどく膨らんでいる場合は、小さな切開で取り除いたり、硬化剤という注射でつぶす必要があり、この部分の治療は、レーザー手術でも静脈抜去術でも同じ方法が行われます。

当院の場合、静脈抜去術もレーザー手術も、同じ麻酔法による日帰り手術を行っておりますので、体の負担はどちらの手術法でも変わりません。


「レーザーが良いのか?」
「静脈抜去術が良いのか?」


通常の下肢静脈瘤治療においては、静脈抜去術でもレーザー手術でも、全身麻酔・腰椎麻酔(下半身麻酔)は不要で、日帰り手術が可能です。
レーザー治療が保険適応となった現在、「それぞれの治療法のメリット・デメリット」「治療を受ける病院の手術法・麻酔法・キズの大きさなど」を十分に相談して、納得のいく手術法を選ぶことが大切です。


院長



藤澤心臓血管クリニック
http://www.fujisawa-clinic.info/
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2011-01-26北海道新聞 ブログトップ

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